【釣りはオワコン?】定点調査から読み取る『釣り人の減少』に関する個人的考察

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90年代のバス釣りブームからおよそ20年が経ちます。当時はヤングバサーであった僕も、時に流れには逆らえずアラフォーバサーに。そして、釣り人口の減少が叫ばれている時代に身を置くことになっているようなのです。

そんな、釣り人口減少傾向のデータを見つけたのでグラフとともにこの現状を考えていきます。(釣りレポート記事じゃないので魚をもった満面の笑み的な画像は一切出てきません。)

バス釣り人口は減少している!?

Twitterでも最近は、思ったことをメモ書き的に投稿を繰り返しているのですが、前ブログ時代から意外な反応を得られるのが「釣り人口の減少」を憂う話だったりします。

※なぜかよく読まれています:釣りはオワコン!?業界奮闘!釣り人口はこれから増えるのか?【フィッシングショー2017】

おそらくは、このブログをお読みいただいている方の中にも、その「釣り人口減少傾向」を身をもって感じている方が多いからこその反応ではないでしょうか。

データで見る釣り人口の減少傾向

マーケティング的な数字を見ることが好きだったりするのですが、オープンソースとして公開をしている「博報堂生活総合研究所」による「定点観測」の調査項目に「よくするスポーツや趣味は何ですか」と言う質問項目に「釣り」と答えている人の数字がありました。

「バス釣り」ではありませんが、釣り業界全体を見る上で貴重なデータなので興味深く見ることができました。

データは表示掲載を許可されているオープンソースなのでグラフと一緒に時代変化を見てみましょう。

※データ出典は【博報堂生活総合研究所「生活定点」調査】によります。

全体数字から見てみましょう

一見、まっ平で変化の少ない折れ線に見えますが、緩やかな下降線をたどっています。1992年からスタートしたデータ調査なのですが、「趣味で釣りをしている」と答えた人のピークは1998年の『14.7%』。そして、気になる昨年・2016年のパーセンテージは『7.3%』となっています。

つまり、およそ20年で半減していると言うことが数字から読み取れます。1998年と言えば…そう、バス釣りブームが頂点に達した年です。まさに、ここがここ四半世紀での釣りブームの頂点だったわけです。

なお、98年は宇多田ヒカルと椎名林檎とaikoがデビューした年で、小室ファミリーのメガヒット減少に陰りが見えてきた時代でもありました。音楽業界的にも大きな転換期でもあったのです。

CDで買った宇多田ヒカルの「オートマティック」を聴きながら河口湖に向かっていたバス釣りブーマー達が数多くいたに違いない年だったことでしょう。

釣りはオッサンの趣味!?…世代別釣り好きの動向

面白いのは、データが始まった1992年当時は、40代以上に趣味層が広がる「釣りはオッサンの趣味」だったことがデータがわかります。

1992年に「釣りが趣味」と答えた20代男性は『17.3%』でした。一方、30代以上は20%以上を記録するオトナの趣味だったんですね。(おそらくは沖釣りがメイン)

20代男性…それに変化が見えたのが、90年代半ばから。94、96、98年は20%を突破。バス釣りブームの最盛期だったと予想される98年は『25.4%』を記録しています。

そして、現在はどうなっているかというと…20代男性の釣り好きは『9.0%』に減少。やはり、若者の釣り好きは数字上は減少の一途なわけです。

なんだか若者論的になってきましたが、若者だけでなく60代の数字の動きも気になります。94年に『30.8%』を記録していた60代の反応も、その後も20%前後を推移していました。

ところが、60代も2016年になると『14.1%』に減少しています。最近は、ヘラブナ師が少なくなっているという話もフィールドでは聞くことが多くなりました。営業が立ち行かなくなった、ヘラ管理釣り場や野釣りレイクも数多くあると言います。

沖釣りも、中高年層に支えられていたところもあるのですが、なかなか足が向かなくなった方が多いと言うことですね。そういえば、実家の隣に住んでいるおじさんも釣りバカだったけど、最近は行くことがなくなったようですし…

女性釣りファンはいつの時代も貴重

「釣りガール」も最近ではSNSでの発展もあってかたくさん見られますよね!皆さん、頑張っています。ですが、それは『釣り女子』がいかに少ないか!という事の裏返しでもあります。

90年代はブームであったこともあり釣り好きと答えていた女性も4%台をキープしていたのですが、2016年は『1.7%』に。

市場規模は小さくなったものの、インターネット&SNSの発展により、稀少な存在である女性釣り師は目立つ存在に。真面目に釣りをされている女性はアイドル的な人気を博している人も出現するようになったわけですね。釣りガールにやたらと詳しい人…いますよねぇ。

(ライバルに塩を送るわけじゃありませんが、釣り大好き女子の方が、本気仕様のブログをやったらかなりの一人勝ち状態になる可能性は大と思っています。)

「バサーオールスタークラシック」と「プロ野球」「Jリーグ」

おいっお前!悲観的な数字ばかり見せているんじゃねぇよ!と、怒りをもってここまで読まれた方もいらっしゃるかもしれません。

数字からするとじり貧の大変なギョーカイ、趣味の世界かと思われそうですが、ところがどっこいフィールドにいるとより熱い釣り人が増えている気もちょっとするんです。

写真は2016年のバサーオールスタークラシックの様子。まだ、ウェイインショー前でこの人!

バサーオールスタークラシックの会場は年を経るごとに満員です。「若い人の姿もあれ、ちょっと増えたんじゃない!?」「トーナメント人気ちょっと復活してきたかな!?」と仲間とも話していました。

これは、今のどの世界でも言えることなのですが価値観の多様化、多元主義かに他ならないんですよね。

プロ野球もそう、Jリーグもそう。地上波テレビでは数字が獲れないコンテンツとして、レギュラーシーズンはゴールデンタイムでの放送がほとんどなくなったプロスポーツ。なのですが…スタジアムに行くとお客さんは満員。試合観戦を楽しんでいる人でごった返しています。

つまりは、これ人は「よりコアに」「よりローカルに」スポーツを楽しむようになった証拠なんですよ。今までは、ブームに乗っかっていた人たちが芯を食ってそのスポーツや趣味が好きになり、ファンになったということ。

ですが、それは勝手に自然発生的に出てきた人気なのかというと違います。プロスポーツだと、選手はもちろん、フロントによるファンサービスの充実などの並々ならぬ努力がありましたから。

横浜スタジアムとかここ数年で本当に楽しい球場になりましたよ。試合当日は、球場の外もにぎわっていますから。Jリーグで行ったことがあるところだと、川崎フロンターレとかも楽しい雰囲気に溢れているチームです。

「広く浅く」から「狭く深く」へ

まぁ、釣りの世界もそうですよね。今後は、いかに新しいファン、特にヤングファンを作っていくことが課題です。

ローカルでも、基本アラフォー世代が中心の遊びなのでは…とバス釣りは思うことが多いのですが、10代や20代のバサーも勇気をもって足を踏み入れてきてくれてもいます。

釣り(特に僕が参加している『バス釣り大会』の世界)が面白いのは、10代から60代までのアングラーが平等に一緒にバス釣りの話をして、競争をするというところがあるのです。上下関係がなく楽しんでいる姿がまた微笑ましくもあるわけですよ。(⇒※プロトーナメントの世界になると話はまた違ってくるのでしょうけど。)

より濃いめな人たちが増えたので(いやファンとして残っているのか)、まだまだ釣りの世界も何とかなるのではないか!?と思う所以でも現場の肌感からはあります。

が、数字上は減っている釣り人口。バブルはもはや来ないでしょう。ボート屋さんも世代交代が進まないと事実上閉鎖となる釣り場も出てくるでしょう。

僕は、本業は別にある趣味アングラーですが、この『釣りの未来』については当事者として考えていかないといけない問題だと常に思っています。

じゃぁ、これからも釣りを末永く楽しむためのギョーカイ全体的な具体策は何なのか!?…

すぐにアイデアが出てくれば世話ないですね。キモチだけは『基本的には禁止。具体的に話せ』をモットーとしているので釣りに関してもそうしたいものです。取り急ぎ、続きはまたにしておきます。

 

・・・ツラツラと書いてしまいましたが、タックルインプレッションや釣りレポートではない、こうした思索は時たまブログに書いて続けていきますので、お好きな方はお付き合いください。

 


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牛久沼を拠点に関東各地のバスフィールドを巡っているサラリーマンアングラー。牛久沼たまやサンデートーナメント、H-1グランプリ等に参戦中!出没フィールド:牛久沼、亀山湖、新利根川、相模湖、津久井湖、将監川、利根川…等々