この秋は、日系イギリス人のカズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞されたと言うニュースが世の中を賑わしました。村上春樹さんを推しているハルキストの皆さんは残念でしたね…
そんなカルチャーなニュースとは別に、茨城県は龍ヶ崎市に位置する牛久沼で行われたハードベイトオンリーのコアなバス釣りトーナメント「H-1グランプリ」を制したしたアングラーも期せずして「カズオ」さんでした。しかも、2015年・2016年の牛久沼大会から数えての前人未到の三連覇!
デカバスフィールドとして知られている牛久沼ですが、予想外にローウェイト戦…そして勝者は三連覇という劇的な幕切れとなった泥沼の戦いをいつものように選手目線でお送り!(ちょっと長めです。深夜まで書いちゃった!)
■目次
H-1グランプリ牛久沼戦・初となる秋の開催
ブタバスと称されるでっぷりとしたデカバスが釣れることで知られる牛久沼。その魅力にとりつかれ、毎月行われるたまやボートでの定例大会にはハードコア&マニアックなアングラーたちが集っているのですが…そうそう簡単に釣れるフィールドではありません。
「牛久沼は終わった」「デスレイクだ!」「牛久にパターンなし」と言った、ネガティブな評価もありますが…ところがどっこい、釣ってくるアングラーは毎回、何かしらのバスは釣ってくる…その意外性にとりつかれた人間は数知れず。僕もそのひとりなのかもしれません。
牛久沼の定例大会に出ている身からすると、秋はやはりサカナが散っているイメージ。パッと見のアシギワにも魚はいるし、沖のオダやクイなどにもいる。クルーズしているサカナを狙って釣ってくるアングラーもいます。
エリアで言うと、東谷田川の方がサイズがよく、西谷田は数が出ると言う定番の予想。とかくカバーを狙いがちになってしまう西谷田はプレッシャーでつぶれるとなかなかサカナが口を使わなくなってしまうことがあるが、ブレイクについているサカナを釣ってくる方策もあります。
・・・上位30人以上のみが出場可能なマスターズカップへのエントリーも考えて、僕が選んだのは西谷田川!なお、一昨年のH-1グランプリにてビッグフィッシュを獲ったのは西谷田川上流域でした。魚は確実にいるエリアなので、信じる心と集中力を持って試合に臨みました。
非常に「置きにいった」試合運びです。つまらない…かな!?
最終戦はミシマ杯!そしてルアマガ20周年記念!
牛久沼の帰りに寄りたい。いや寄るしかない。エレキ、バッテリーはこちらで。北柏のスーパープロショップ「ミシマつり具店」さんがこの日は冠に。八木さんにはみんないつもお世話になっています。
そして、ルアーマガジンさんが20周年記念という事で記念ルアーなどを協賛品として提供していただきました。ルアマガが20年…あれ、俺…ルアマガ創刊号を買った覚えがあるぞ!
総勢119名が参加した牛久沼!
おそらくはキャパオーバーw…初となる「たまやボート」「吉乃屋」合同開催となった牛久沼大会!朝も早くから駐車場整理するのはローカルアングラーたちです。
その参加人数119人。当日のフィールドデータです。
<2017年10月9日(月・祝日)>
天気:晴れ
気温:16℃~26℃
水温:20℃~22度
風:ほぼ無風、時々微風
女性アングラーも参戦しているH-1グランプリ。牛久沼にこれだけ多種多様なアングラーたちが集まるのも本当に珍しい。
僕のような一般アマチュアアングラーから、トッププロ、フィールドテスター、プロショップ店員、ルアービルダー、メーカー社員、釣り雑誌編集者…等々、かなりのギョーカイ人参加率もあります。
ただし、このギョーカイの人たちも結構、マジで参加してきますので恐ろしい大会なのです。
そして、プロトーナメントに参戦しているプロたちも「H-1グランプリ面白いじゃないの!」とその趣旨に賛同して参戦をしてきています!
牛久沼戦ウェイインの結果から見える当日の状況
ロコも含めて、本当にたくさんの凄腕さんたちが参加されていたのですが・・・そのウェイイン率はというと・・・
ウェイイン数:119名参加中/42名
ウェイイン率は35%
…優勝ウェイトは2760gも、他の41名全員が1キロに満たないと言う超ローウェイト戦となりました。
当日のフィールドは鏡のような湖面を見せてくれた牛久沼。空は晴れ渡り、気温はグングン常勝…最高のピクニック日和でしたが~~巻きを主体するH-1ではちょいと厳しい顔を見せてくれちゃったわけです。
僕もなんとかウェイイン。このカワイイサカナ(2匹で230g)のおかげで、年間順位は20位に。マスターズカップへの出場は決定しました。
牛久沼ではトレーラーウェイインもあるよ!
トレーラーウェイインと言えば、バスマスターズクラシックや、JBのトップ試合、バサーオールスタークラシックなどが有名ですがH-1グランプリ牛久沼戦ではトレーラーウェイインの演出があります!
普段やらない動きなので、アマチュアだったりすると非日常なので大の大人がワイワイ楽しめる瞬間です。できれば荷台に乗りたい。(たまや敷地内でやっていますヨ)
激タフな牛久沼を攻略した上位陣のストラテジー
3位:740g 北大祐選手
オールスターの時とはまた別の表情を見せてくれた最強アングラーの一角・北プロが3位入賞。「そりゃそうだろ」とお思いの方…牛久をなめたらいけません。昨年も参戦した北プロですが、牛久沼では撃沈、デコっているのです。昨年へのリベンジとしてマジで釣りをしていました。
プロはここが違うなぁ、と思うのですが、本当に帰着ギリギリまで釣りをしているのです。最後の最後まであきらめないその心はオープン大会でも一緒のようでした。まさに勝負師。
狙いは、前日の午前中に水が良いと思った西谷田川。流れもあるし魚が元気そうな気がしたそうです。
ルアーは、スピナーベイト!天気もベタ凪で、ハイピッチャーの9gといったちょっと弱いスピナーベイトを巻いて巻いてヒッパってきました。細かいエリアは細見橋の上流の岬回りで、ガマから1メートルは引いて「追わせて食わす」イメージで③本をウェイイン。
クランクベイトも大好きな北プロですが、クランクだと泥をかいちゃうのでスピナーベイトをチョイス。スピナーベイトはどこでも引けるから本当に大好きなルアーなのだそうです。・・・自分も練習しなきゃな。
2位:960g 松本幸雄選手
今大会で一番の驚きとともに、新しい価値観の芽生えを刺激させてくれたのが松本さんでした。ご存知の方も多いかと思いますが、エリアトラウトのトップアングラー!デイナマ界でも先頭を走るロデオクラフトの松本幸雄さんがなんとH-1に登場!
プラクティスにも1日半入り、牛久沼をじっくりとみまわったそう。様々な釣り方、ルアーを試してたどり着いた釣り方がスピナーベイトを水面方向に鋭角に引っ張ってバスに「今、食わないと逃げちゃうよ!」とアピールさせてバイトを引き出してくると言う今まで聞いたことがない釣り方でした。(松本さんからすると、それはたぶん手数のひとつなのでしょうけど)
ルアーはスピナーベイト。ノリーズのウィンドレンジのスカートを茶色にスプレーで色を塗って使いました。そのココロは「アピールではなく、何だからわからないものに見せるためのチューン」…松本さんもちょっと異次元の釣り人であることが数分のお話の中で判明してしまったわけです。
タックルも7フィートロッドにフロロ10ポンドラインとバスアングラーとは違った視点のセレクト。それで釣ってきてしまう。
実は、もろもろイベントが行われている最中にお話をさせていただいたのですが「バス釣り」と言う範疇にとどまらず「嗚呼、この人は魚釣り全般なんでも上手い人だ!」と思わされる漁師的なアングラーだと確信を得ました。頭デッカチになっている自分の考えが全て崩れ去ったような一瞬がその時にはありましたネ…それくらい、釣りに関する洞察が深い…
来年も出場してきてくれたら台風の目になりそうな予感。凝り固まった僕たちバスアングラーにドロップキック&水平チョップを食らわしてくれそうです。
1位:2760g 高橋一夫選手
もう…まさに別次元の釣りをしていましたね。牛久沼レジェンド高橋選手が前人未到の牛久沼戦三連覇を達成しました!
119名が参戦。高橋さんは1人、その他118人とは別の旅路を牛久沼で送ってたようでした。
ファーストエリアだった塚本の柵まわりで、朝一の開始10分で1500グラムをゲット。その後は、メインエリアだった、たまや前で巻きたおし…水の動きがあるであろう本湖下流の水門までボートを走らせました。
そこでスゴイのが、相当な距離をエレキオンリーで走りながら水門周辺の水が悪いと見るや否や、1時間ほどでたまや前に戻ってきたこと。そして、そこで2匹を追加してリミットメイク。
「人のプレッシャーがかかるところは朝イチ勝負」など、とにかくその日のタイミングを見計らってのエリア選択が本当に卓越したものがあります。そういえば、たまや定例大会でもひとつのところにおらず、神出鬼没のイメージがあるのが高橋さんなのです。
ルアーはサポートも受けているラッキークラフトのRC1.5のテーブルロックシャッドカラー。ボトムには当てずに、何かしらの障害物に当てていく…巻き方は、思っている以上に『早巻き』!クランクベイトが一番良い塩梅で動くひき具合で巻くのがコツなのだそう。
そういえば、バサーオールスタークラシックで北大祐プロの終了間際のドラマフィッシュをもたらしたのもラッキークラフトのクランクベイトでしたね。関東のローランドレイクに忘れちゃいけないルアーですね。こりゃぁ。
とにもかくにも、三連覇おめでとうございます!
・・・ううむぅ・・・動画にして見せてほしいですね・・・
年間優勝は加藤選手に輝く
年間5戦でもって年間優勝を争うのがH-1グランプリ!年間をとったのは相模湖でのビッグフィッシュ獲得の記憶も新しい加藤さんがゲット!おめでとうございます。
加藤さんは3戦のみの参加での年間優勝。ポイント制ではなく、重量制をとっているH-1はこうした少ない参戦でも勝てる可能性があるオープン大会なのです。
一昨年に2度目のH-1AOYを獲得した伊藤巧プロも牛久沼とは相性が悪いようで背中が泣いていました。でも、オールスターでH-1出身のプロが大活躍してくれたのは本当にうれしかったし、みんなして応援しちゃいましたネ!(「最近、ナマローさんのブログに出てないなぁ」と言われたw雑誌やDVDでは大活躍じゃないのぉ~~)
ツガル選手は悔しい290グラム差での年間2位。昨年のマスターズカップ優勝から勢いがあったし、牛久沼には積極的にプラクティスに入っていただけに悔しさもあったことでしょう。「ネゴシエーター」なだけあって、釣りの腕前と分析力、言語化能力はもの凄い長けているアングラーなので来期も上位にランクインしてくることでしょう!マスターズカップ二連覇も狙っているかな!?
マスターズカップは11月26日・将監川&長門川で開催!
年間順位が出たところで重要なのが、H-1のクラシック的試合である「マスターズカップ」!今年は11月26日というかなり遅めの季節での開催となりました。
防寒対策とプラクティス…しなきゃな。
最終戦のじゃんけん大会が大盛り上がり
じゃんけん大会だけでなく、ブースもたくさん出ていたのでいろいろと盛り上がった大会でした。そして、終了後も真っ暗になるまでみんな残っていました。なんだか良いですなぁ。(あ、僕はなにもゲットできず)
というわけで、H-1グランプリ2017牛久沼戦の思ひででした。マスターズカップまで行けるからまだまだブログは続くのだ!!!2017年のバスフィッシングシーンも間もなく終わりますねぇ